サイレントトーキョー評価・感想[ネタバレ有]

映画

今日の映画感想は「サイレント・トーキョー」です。

個人的おすすめ度:4/10

一言感想:終盤が惜しいサスペンス

序盤から中盤までは、本当に作りが最高で、多くの伏線を散りばめながら、どうなるのか目が離せない展開で、この映画選んでよかったと心から思っていました。

そう、伏線が唐突且つ雑に回収されていくまでは、、、、、、、

主演に佐藤浩市、石田ゆり子になっているが、基本的には中村倫也、西島秀俊、広瀬アリスの三人で物語は進行していくため、ファンの方々は注意が必要だ。

映画情報

【監督】

波多野貴文(代表作:SPシリーズ、ブラッディマンデー Season1)

【脚本】

山浦雅大(代表作:亜人、家政婦のミタゾノ)

【キャスト】

佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、毎熊克哉、加弥乃、白石聖、庄野崎謙、金井勇太、大場泰正、野間口徹、財前直見、鶴見辰吾

【あらすじ】

クリスマスイブの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたという一本の電話がテレビ局にかかって来た。半信半疑で中継に向かったテレビ局契約社員(金井勇気)と、たまたま買い物に来ていた主婦(石田ゆり子)は、騒動の中で爆破事件の犯人に仕立て上げられてしまう。そして、さらなる犯行予告が動画サイトにアップされる。犯人からの要求はテレビ生放送での首相との対談だった。要求を受け入れられない場合、18時に渋谷・ハチ公前付近で爆弾が爆発するというが……。

以下からは結末を含めてネタバレですので鑑賞後に読むことをおススメします↓

この映画の推しポイント

ミスリードの巧さが光る作品

序盤は確実に須永基樹(中村倫也)が爆弾事件の犯人ではないかと思わされた。

「あー、はいはい、視聴者に序盤で犯人わからせておいて、それを刑事が追い詰めるパターンのやつね、古畑任三郎パターンか」と思い込まされてしまった。

そのため、中盤に須永が犯人では無く、愛する母の幸せを邪魔しないように、父である朝比奈仁(佐藤浩市)を止めるために動いていたことが明らかになったときは衝撃が走った。

ただ、ここもミスリード。

終盤に朝比奈は犯人ではなく、山口アイコ(石田ゆり子)が犯人だとわかる。

朝比奈は、戦争によるPTSDから離婚し、古いアパートで一人暮らしをしており、いまだに睡眠導入剤を常用、爆破事件の場所が自分の考えたデートコースだったこと、仕掛けられた爆弾の爆発規模が自衛隊の訓練と同じ段階で大きくなっていくことから、朝比奈は犯人が誰か推測し、先回りをしてコンタクトを取ろうとします。

どちらも犯人を独自に止めようとしていたために、警察側(視聴者)から見たら怪しく見え、そしてまんまと騙されてしまいます。

犯人は、全く読めなかった、ストーリーの序盤から爆弾事件に巻き込まれた主婦として登場していた山口が最後になって犯人だとは予想をしていなかった。いや、できなかった。

伏線を張りながら進めていき視聴者へのミスリードの巧さがとても光る作品であった。

近年、ドラマでは一話完結ものが多く作中で視聴者へのミスリードを複数回行うことは少なくなっており、サスペンス映画を見たなと感じさせる作品であった。

この映画の核心

山口の犯行のトリガー

山口が犯行をするきっかけとなったのは、新首相の「日本を戦争のできる国にする」という発言であった。

ここは、政治思想や常日頃考えている事柄によって、納得感が大きく変わるだろう。

考え方としては、

山口:夫が戦争で心を壊し、妻である自分に爆弾について教え込んだのちに、自殺。そんなことを起こしてしまうような戦争に対し大きな憎しみを持っており、本物の戦争を知らない新首相が上記のような発言をしたことにより、戦争とはどのようなものか「新首相と国民」に分からせるために犯行に及んだ

新首相:中国や北朝鮮などいる中、日本を戦争できる国にしないと守れないと考え「日本を戦争のできる国にする」と発言

となっており、どちらに共感するかによって動機の受け取り方が変わってしまう。

人物に共感しながら見る人は、本人の考え方によっては不快になってしまったかもしれない、そこが、映画のレビューサイトの感想の荒れになっているのではないかと考える。

この映画の惜しいポイント

終わり方が唐突に感じる

映画の撮影自体がコロナによって途中延期されていたため、朝比奈と山口の掘り下げが少ししかない状態で伏線を回収していき、結末を迎えるという形になっているのではないかと考えている。

終盤は、唐突に且つ雑に伏線が回収され、犯人がわかるといった形になっており、唐突感を感じさせる作りになっていた。

途中まで、完ぺきに近い作りだっただけに、そこだけがとても残念だった。

まとめ

終盤の展開の唐突さに目をつぶればいい作品です。

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