ザ・エレクトリカルパレーズ(エレパレ)評価・感想

映画

作品:ザ・エレクトリカルパレーズ

 

今日の映画感想は「ザ・エレクトリカルパレーズ」です。

 

個人的おすすめ度:8/10

 

自作コピー:エレパレは青春なのか、ただの快楽集団なのか。

 

一言感想:サスペンスなのか、バラエティーなのか、ドキュメントなのか、芸人映画の最高傑作

 

この映画はYoutube上に無料で開放されている映画だ。

無料とは思えないほどに面白い、引き込まれた。

2020キングオブコント準優勝、2020M-1グランプリ5位のお笑いコンビニューヨークのチャンネル上に公開されている。ただの芸人映画と侮るなかれ、NSC(吉本興業の養成所)17期に突発的に発生した謎の集団ザ・エレクトリカルパレーズとはどのようなものであったか突き止めるために、ニューヨークがNSC17期にインタビューを行っていく。

そこで、出てくる事実の衝撃度もそうだが、自分にとっての青春は誰かにとって痛いものであると気づかされる。

 

多くの芸能人や著名人がTwitter上で絶賛しており、ぜひ見てほしい作品だ。

 

映画情報

ザ・エレクトリカルパレーズ

 

本編:約128分

出演:ニューヨーク、鈴木もぐら(空気階段)、オズワルド、ガーリィレコードチャンネル、遊佐亮介、侍スライス、きょん(ラフレクラン)、吉川きっちょむ、宮崎拓也(ワラバランス)、山脇わきこ、桜井智宏、西村真二(ラフレクラン)

監督:奥田泰

言語:日本語

 

2011年、NSC東京校17期生たちの間にあるグループが現れた。「エレパレ」と呼ばれるその団体はTシャツやテーマソングを作り、複数の女生徒たちと関係を持ったとされている。一時その噂は芸人たちの間で話題となったが誰も正確な情報を掴めないまま忘れ去られていった-。

9年後、話を聞きつけたニューヨークチャンネルはエレパレの正体を探るべく調査に乗り出した。お笑いを志した若者たちは、なぜそんな組織を作ったのか。取材をすすめるうちに17期生たちが蓋をした真実が見えてくる。そして映画は現代の若者たちが抱える様々な問題をあぶり出しながら、衝撃のラストへと雪崩れ込むがー。ニューヨークとスタッフが総力をかけて挑んだ渾身のドキュメンタリー作品。

ザ・エレクトリカルパレーズ

 

以下からは結末を含めてネタバレですので鑑賞後に読むことをおススメします↓

 

この映画の推しポイント

構成の秀逸さ

まず、エレパレという存在が、エレパレでなかった人たちから語られる。そこを見た段階では、エレパレはただのド痛集団じゃないかと感じさせる。

しかし、エレパレ関係者から話を聞いていくとそれは「家族」「青春」「仲間」といった言葉が次々と飛び出し、エレパレの黒幕ともいえるポジションのラフレクラン西村へたどり着き、新たな事実が更に語られる構成は、無駄がなく、飽きが来ない。

謎を解明したら、新たな謎を呼ぶ構成は、まるでサスペンス映画のような構成であった。

 

登場人物の誰かには共感できる視点の人物がいる

エレパレを中で楽しむ者の視点、外から観察し、羨ましがる者、バカにするもの者の視点など、エレパレをめぐる多数の視点からエレパレを紐解いていくため、高校時代や大学時代にリア充グループとして青春していた人も、それを外から見てバカにしていた人も共感できる人物が必ず登場している。だからこそ、見た人たちにとって心に残る作品になっている。

私は、どちらかというと学校のリア充グループを毛嫌いしバカにしていた節があり、空気階段のもぐらやオズワルドの伊藤と同じような視点を持っていた。だが、エレパレというリア充グループの中の人たちの話を聞いていくうちに、そういう人たちはただ、楽しんでいただけなんだなと気づかされた。過去、そのような視点を持っていた自分と再会した懐かしさを覚えた。

また、当時学校にいたリア充グループをなんだかほほえましく捉えなおせるようになった。エレパレがなければ、そのようなグループの人たちをただの痛い人たちだとずっと思っていただろう。そんな、過去の自分と、過去の周りのグループを再度思い出させ、捉えなおすことができるこの映画であり、もしかしたら自分の学校生活であっても映画になるのではと思わせてくれる。

それぞれの立ち位置まとめ

①ラフレクラン(西村、きょん)

二人ともエレパレに入っていた。しかし、西村は、中心メンバーとして見られていたがT-シャツに名前が入っていなかった。西村に関しては、誰も情報を出そうとする人物はおらず西村がエレパレ内でどのような立ち位置だったのか、入っていたのかいなかったのかは最後まで不明のままとなった。

②ワラバランス(宮崎)

エレパレの立ち上げ時からの中心メンバー。広島出身で西村のことをテレビ越しに見ており、NSCで出会ったときは衝撃を受けた。その後仲良くなり、エレパレのメンバーと引き合わせた。

③侍スライス(加藤、門田)

高校もいかずにNSCに入った二人は、エレパレを「家族」と表現した。そんな純粋な二人は、NSC卒業後先輩にエレパレをバカにされていることを知り、そのことを話すことは少なくなった。

④オズワルド

エレパレのことを伊藤が「セックスサークル」と揶揄し、その実態の噂について語っていた。

⑤空気階段(もぐら)

エレパレの情報について真偽不明なもの含め次々と話をした。情報屋ポジション。

⑥ガーリィレコード

エレパレを外から見ていた人の視点で登場した。メンバーの高岸が住んでいたマンションがエレパレのネタ見せ場所の近くであったり、アルバイトしていたデニーズにエレパレメンバーがよく出入りしていたりなど何かと接点があった。

この映画の惜しいポイント

お笑い好きであれば、のめり込めるが、登場人物を一人も知らない人には楽しむのは難しいかもしれない。また、NSCのシステムを理解していなければ、どのような場所で何が起こっていたのか分かりにくい。

 

今後

この映画はすでにバズっているが、本当のバズはエレパレのメンバーがM-1決勝に行ったときであろう、その時にはこの映画の価値が更に上がっていくだろう。

まとめ

自分の青春について考えさせられた。リア充をバカにしたりする側の人間であったがきっと彼らは本気で楽しんでいたし、今思えばバカにされる要素はほとんどなかったように思う。エレパレをみて彼らに少し悪いことをしたと今更ながら反省している。

 

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